智心館小学生の一日
ボクは学習塾智心館に通う智心 学(チシン マナブ)、小学5年生だ。
5年生の4月からこの塾に通っている。
お母さんの、「5年生にもなったし、学校の勉強も難しくなってくるでしょう?塾とか行くべきなのかなぁ?でも、中学受験するわけじゃないんだから、“塾は中学生になってからで大丈夫”ってお父さんは言うし~。
一度体験に行ってみて、学!」
その一言で、ボクは智心館のドアを開けることになった。
現在、ボクは月曜日と木曜日の5時から6時30分まで塾に通っている。
しかし、月曜日と木曜日で塾で会うメンバーが違う。
なぜなら通塾日が自由に決められるからだ。
ボクは塾以外にも週二回、スイミングスクールに通っている。
その日程が火曜日と金曜日なので、その両立もボクが智心館を選んだ理由だ。
同じように体験に行った集団塾は、小学生の時間が決まっていたから、スイミングを続けられないから、智心館のような塾に行くか、個別指導塾に行くか、どちらかの選択肢だった。
体験の日、初めて会う先生。
緊張したけど、怖い先生ではなさそうだった。すごく天パだったことも忘れない。
ボクが計算を間違えてしまったとき、先生はこう言った。
「ああ、ここでミスってるねぇ。この計算はこうやった方がいいよ。間違ったところは消さないで、今解説を聞いたことを頭に入れて、もう一度やってきてみて!」
答えを教えてもらえると思ったのに、答えは教えてもらえず、もう一度解き直すことになった。どうやら消しゴムは使えないらしい。
次にボクの前に立ちはだかったのは、文章問題。
ボクはとってもこれが苦手だ。長い文章、読むのもめんどくさいし、何を言っているのか分からない。
頭の中をグニャグニャさせながら3分ほど経ったとき、おもむろに先生が話し始めたので、先生の方を向いた。
やっぱり天パだった。
「学君、難しそうな顔をしているね。図は書いてるかい?」
ん?図!?
どうやって書くの?
先生は続けた。
「出来るだけ、脳みそを使うのは簡単にしたいじゃん。あれもこれも頭の中で処理するなんて難しいんだよ。だからそんなときはどうする?
情報を見える化するんだ。」
そうして書いた先生の図を見て、ボクはなるほど!これならボクも出来るって思ったんだ。
体験の終わりに先生はこう言った。
「塾の授業中はこうやってどんどん頭をひねって、問題と格闘してほしい。一番したくないのは、小学生のうちから勉強を“作業”にすることだな。
プリントやドリルで簡単な計算問題をひたすらやるのも悪くないけど、勉強ってそれだけじゃなくて。こうやって難しい問題を自分なりに図にしてみる、自分の知っている色々なパターンで解き方を試してみる、なんて時間も必要なのさ。
俺の役目はそれを見ながら、時には手助けしたり、時にはしなかったりすることかな。
手助けが必要なときには、こういう“先生”が必要でしょ?」
体験を終えて、ボクはお母さんに言った、「出来なかった文章題が解けるようになったんだよ!ボク、塾に入りたいな!」
お母さんもお父さんも納得してくれた。
そうしてボクの智心館生活が始まり、もう少しで半年になろうとしている。
授業の日、ボクも含め小学生は早く塾に来る子が多い。
それは多分、みんなお家の人に車で乗せてきてもらう子が多いというのも関係しているんじゃないかなと思う。
ボクは塾の本棚から本を一冊とって、それを読んでいる。
塾なのに、マンガも置いてあるから、授業前にちょうどいい。
授業が始まった。まずはそれぞれ百マス計算。ボクはあまりの出る割り算を現在やっている。
なかなか目標タイムを切ることができていないけれど、学習ノートに書く、自分のタイムは回を追うごとに下がってきている。
今日も自己ベスト目指して頑張るんだ。
次に今日のテスト。
これがなかなかやっかいだ。
先生は、前回の授業でボクができていなかったところ、ボクが元々苦手なところをバンバン出してくる。
ホントあの天パは、性格が捻じ曲がっているのだろうか?
「全員一律に計算問題でも出してれば楽だけど、せっかくテストしているのだから、全員の苦手と存分に戦って欲しい。合格できれば最高だけれど、試行錯誤することはそれよりもっと大事。だから、君の飛べるギリギリのハードルを作るつもりで全員にテスト出してるよ。」
やっぱり捻じ曲がっているのかもしれない。。。。。髪の毛同様に。。。。。
テストをやって、先生の解説を受ける。その場では理解できるけど、家でもう一度やらないと忘れてしまう。それも塾に来て学んだことだ。
次の塾では今日できなかった問題にもう一度トライすることになっている。説明だけ受けて分かった気になっていたら、二回目出来なかったなんてことがあったからだ。
そうすると授業の時間外でテストを受けに来なくちゃいけないから、結構なペナルティだ。それは避けたい。
今日のテストが終わった。そのまま授業の内容に移る。
授業の内容は学習ノートに書いてある。ボクたちはテストが終わったらそこを確認し、今日やる内容のワークのページを開く。
今日は国語からだ。
漢字を練習し、テストする。先生が丸をつけてくれる。3個間違えてしまった。
「はい、じゃあ、練習しておこうぜぇ。」
練習して、再度先生のところへ持っていくと、今度は口頭でもう一度問題を出してきた。
全問正解。
次は文章の読解問題に入った。
先生の前で音読をする。
なんかこれも変わっているなぁと思う。だって、塾で音読ってヘンだろう?みんなで同じ問題を解いているのなら分かるけど。
音読をやっているボクみたいなのもいれば、計算問題を解いている子もいる。
塾っていったらやっぱり皆血眼で、ライバルに負けじとガリガリ問題を解いているイメージがあった。その雰囲気、ボクはちょっと怖かったので(中学も受験せずに、地元の公立中学校に行くし)、ここの居心地は悪くない。
読み終わったら実際の問題。内容がスッと入ってきて、満点が取れたのは、音読をした後だからだろうか。
先生は言う。
「小学生のうちに鍛えた国語力は、これからの君の勉強を支えるものすごく大きな柱になる。知っている言葉の数はもちろん、漢字は、英単語や理社の語句を覚えることにも役立っていくし、読解力がなければ文章題は解けない。どれをとっても、一生役立つことを勉強しているんだよ?
だから俺はみんなに塾で国語を勉強してもらっているし、早くから英語をやっておく以上のメリットがあると思っているよ。」
確かにそうかもしれない。
国語が終わったので、算数に入っていった。
ワークの解説のページを見てから問題を解く。練習問題をやったら最後にテスト。
間違ったら先生の説明を聞いて、正しく答えにたどり着くまでやるのは国語と同じだ。
その途中にテストの返しがきた。
先生はボクたちのワークの丸つけや、間違ったところの解説の間にテストの丸つけもしている。
だからあまりたくさんの生徒を一度には見れないらしい。
中学生の時間は人数が多いから、他の先生も来ているって聞いた。
テストは、得意な国語は合格だったけれども、算数は不合格だった。
なんでこんなに計算ミスをしているんだろう。
悔しかった。
一通り間違っているところの解説を受けて、席に着く。
今度こそ100点満点で合格しよう。
学習ノートに書いてある“今日の目標”ページが終わったので、今日のところはおしまい。振り返りを書いて提出する。
お母さんが迎えに来た。
時刻は6時35分。「グウ~。」授業中は気にしていなかったけど、終わったらドッと空腹が襲ってきた。
今日の晩御飯はなんだろう。外はもうすっかり闇に包まれている。
まだ昼は暑いが、この時間になると肌寒い。
「帰ったらテストの直しをやって、ゲームをしよう。」
秋の風が頬を撫でた。
・・・・・どうでしたでしょうか?笑
智心館小学生の一日を、架空の人物“智心学くん”を使って書いてみました。
あまり多く脚色を加えたつもりはございません。ほぼ塾の日常をまんま書いたかなと思います。(本当はストレートヘアーのイケメンって風に書き換えておこうかなと思ったのですが、そこさえもドキュメンタリーでやらせてもらっている次第です)
小学生授業に対して私がどのように考え、日々指導しているのか、またどんな内容をやっているのか、すべてとは言わずとも、その一部は確実に分かるようになっていると思います。
これ、普通に中学生版やってもいいかもしれませんね!小難しく私の口から説明するよりも分かりやすいかも。