“常識”という当たり前の大切さ。中学校における理科、社会は基本的に小学校の上塗り。
塾講師として、できるだけ使いたくない言葉があります。
「常識」という言葉です。
なぜならそれは、生徒を突き放す言葉だからです。
常識という言葉は大変便利な言葉であり、また、それ故に無思考な言葉です。
ある意味で中学生は、社会に出て行く上での“常識”を学んでいるわけで、
できないことが、“非”常識なら、中学生の勉強する、すべてのことがその一言で言いくるめられてしまいます。
その常識を教えるのが、私たち塾講師の役目であり、日頃から、間違いを許容する空気を醸成するためにも、
そのような、生徒を突き放す言葉は極力避けたいというのが本音です。
じゃあ、自分は使わないかというと、そうでもなく(笑)
「それは最低限知っておいてくれよぉぉぉぉ」
という出来事が、日に何度もある塾の先生ですので、我慢できなくなってしまった時にはどうしても使ってしまいます。
ごめんなさい!!!
どんなときも聖人君子でいられるほど、俺はできた人間じゃないんだ!!
たぶん俺がこの言葉を使わなきゃいけない時は、本当に知らないとヤバい時だから、そこんとこヨロシク!!!
中学校における理科、社会は基本的に小学校の上塗り
さて、“常識”という言葉からもう少し話を広げたいと思います。
私が常識という言葉を使う場合、そこには、
「勉強しなくても、日常的に生きていれば習得する(であろう)語彙や知識」
というニュアンスが混ざっています。
今まで勉強してこなかったツケとて、
社会やら理科やら、私たちが“常識”だと思っていることを、“勉強”しなければならない生徒は大変だろうなと思います。
取られ方によっては嫌味に聞こえる話かもしれませんが、ここで私が言いたい常識とは、
中学校で扱う、「勉強して習得するもの」ではないのです。
例をあげるならば、
水は100℃で沸騰すること
各都道府県における(本当におおまかな)特産品
などです。
いかがでしょうか?
「最低限知っといて欲しい。」と言った意味が、なんとなくでも理解していただけるのではないでしょうか?
しかしこれらも、“勉強”しなければならない生徒は、一定数存在するのです。
では、その常識とやらは、どこで取得しているのか?
といえば、ある意味、中学内容は小学校の上塗りなわけで。 小学校時点でそれを身に着けている生徒からすれば、
「勉強なんてせんでも、そんなん知ってるやろ。」
の話が、何周も遅れてやってくる話になります。 各都道府県の位置や特産物だったり、理科の状態変化だったりを“勉強”しなければならない子は、
同時期に他にも覚えることがたくさんある分、そうじゃない子より時間がかかる。
これこそ同じ時間勉強しているのに、学力差が出てくる本当の理由だと思うのです。
問題の本質は、与えられたワークを同じ時間やるにしたって、前提知識で大きく差が出ているということ。 かと言って我々は、なんとかその前提条件を埋めるべく、働きかけることしかできないのですが。。。
解決策
最後に私なりの解決策を提案したいと思います。
当たり前の精度を上げるしかない。
これに尽きると思うのです。 勉強なんてすぐに効果が出る方が稀です。
10何年生きてきた経験の結晶があなたなのですから。 ですが、思考する習慣ができた時、少しずつでも必ず、あなたは賢くなっていきます。
だから、日常の解像度を上げてください。
漫然と生きるのをやめてください。 なんとなくでも「なんでこうなるんだろう?」と思ったものに関しては、調べる癖をつけてください。 そして、
この記事を見ている方が、小学生の保護者さんであれば、
今お子さんは非常を学んでおりますので、お子さんの勉強に興味を持ってあげてください。
もし時間的に可能であれば、お子さんのお勉強に一緒に取り組んでみたり、話を聞いてあげてください。
きっと小学生でしたら、勉強したことをお家の方に聞いてほしいと思うので。
そんな些細な習慣から、勉強に対するポジティブマインドが生まれ、自然に勉強する子が育つと思います。
まとめ
理科、社会は身近なものを学習している分、常識のレベルで差がついていることが多い。
解決策は、当たり前の精度を上げること。そして、小学生のときから勉強にマイナスイメージを持たせないこと。
分からないことを調べたり、自分の頭で考える習慣作りをすること。
小学校の勉強がいかに大事かということを痛切に感じる、今日このごろです。
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